「昔から自宅にお仏壇を祀っているけど、どんな意味があるんだろう?」
「昔の仏壇は黒くて暗いイメージだけど、今はどんな仏壇があるの?」
人によっては先祖から引き継いだものをお祀りしているだけで「お仏壇にはどういった意味があるのか」詳しくご存じな方は少ないのではないでしょうか。
そこで本記事では・・
「お仏壇をお祀りする意味とは」
「お仏壇の種類にはどういったものがあるのか」
について詳しく紹介していきたいと思います。
日々のご供養の参考にしていただけると幸いです。
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お仏壇をお祀りする理由 4選
お仏壇とは、「ご先祖様が住まわれるお家」という意味合いもありますが、残されたご親族の方にとっても大切な意味があります。ここでは、お仏壇の役割・お祀りする理由についてご紹介致します。
①深い悲しみを癒すことに繋がる
日本人は感情表現が苦手で、「人に迷惑をかけてはいけない」「感情を表に出すのは良くない」と考える方が多く、努めて感情的にならないようにしている傾向にあります。
そのため死別などにより、身近な親族を失ったときに感じる悲しみも、人によっては5年ほど続く方もいるそうです。そのため、最近ではこの悲しみを癒すことの重要性が、認識されるようになってきました。
悲しみを乗り越えるには、まず悲しみと向き合う必要があります。仏壇の前で亡くなった親族と対峙することは、亡くなった親族との関係を捉え直すよい機会となるでしょう。
②家族のつながりを深めるきっかけとなる
核家族化が進む中で、一人所帯の数も増加しています。価値観の多様化により、家族内の個々人が自由な価値観を持てるようになった一方で、世代間の共通の話題は減っているのも現状としてあります。お互いの価値観の違いを認め合い、本当のつながりを見いだすためには、きっかけが必要になります。
そのため、仏壇は「家族のつながる場」となります。普段は一緒に住んでいない親族も、仏壇に並んで向かい合うことで、そのつながりを確かめ合うことができます。家族間の絆を再確認することで、お互いへの思いやりを強めるきっかけになるでしょう。
③子供の情操教育を育む
情操教育とは、相手を思いやる気持ちや命の大切さ、知的好奇心などを育むための教育です。子供には目に見えないものの価値を考え、尊重することの大切さを教える必要があり、お仏壇はご先祖様や祖父・祖母・親族や親戚の人生や価値観を教えるきっかけになります。また、家族が仏壇に祈る姿から、家族への信頼や、他人に対する慈愛の心を学ぶことができるのです。
上記の理由から、子供の感情面・情緒面の発育のために、仏壇購入を検討される方は増加傾向にあります。
④仏教的な学びが得られ、それを活かすことができる
現在は、行き過ぎた個人主義や利己主義、拝金主義、物質的な快楽主義に対する反省が求められる時代です。他人との競争に明け暮れる生活に疲れ、内面の豊かさの充実を求めている方も多いのではないでしょうか。
仏壇に向かい合う時間は、自分自身を見つめ直す時間でもあります。仏壇との暮らしの中で仏教的な学びを取り入れ、自らの心を豊かにしていくことができます。
仏壇を持たない方も増えている
最近は若者の仏教は離れや都市化や核家族化が進むにつれ、仏壇の意味というものが軽視されがちです。また、都市における住宅事情が、仏壇を置くようなスペースを許さないといったことも、仏壇離れに拍車をかけています。
地方から都会に出てきた人などは、「実家に仏壇があるからいらない」「身近な家族で死んだ人がいないから実感がわかない」といった理由で、仏壇をもつ必要性が感じられないため、持たない人も増えてきています。
仏壇の種類と供養方法について
故人をお祀りする仏壇や、供養方法には大きく分けて以下のものがあります。
ここではそれぞれの方法にどのような違いがあるのかを解説していきます。
・金仏壇・・・金箔で飾られた黒塗りの仏壇です。
・唐木仏壇・・銘木の美しい木目を生かした仏壇です。
・モダン仏壇(家具調仏壇)・・洋間(フローリング)にマッチする現代的な仏壇です。
・手元供養・・小さな骨壷や遺骨の入ったペンダントを祀る供養方法です。
・神徒壇(祖霊舎)・・神道を信仰している方のための祭壇です。
・神棚・・・大神宮や氏神などの神符を祀るための祭具です。
また、仏壇は人生にそう何度も買うものではありませんので、あまり法要に詳しくないお客様に仏壇店のスタッフは慣れています。店頭で迷ったら、ぜひ仏壇店の方に聞いてみてください。宗派や家の作りにぴったりの仏壇をおすすめしてくれるでしょう。
👇以下の記事では、お仏壇の「お手入れ方法について」ご紹介しております。
金仏壇について
金仏壇は、白木を素地に漆やカシューなどで仕上げ、金箔や金粉で装飾を施した仏壇のことです。「塗り仏壇」とも呼ばれることもあります。金仏壇は、宗派によって形状・内部のつくりが大きく異なっています。特に浄土真宗の西本願寺派・東本願寺派・高田派の各派は、様式の違いが顕著で、宮殿や欄間の形や柱の色が異なるなど違いがみられます。
これは、金仏壇が各宗派の本山寺院の本堂を模して作られているためです。また、加賀蒔絵を用いた金沢仏壇や、台の部分が高く、「まくり」を備えた名古屋仏壇など、各産地によっても、それぞれに特徴が見られます。ご自身の家の宗派や地域によって、選ぶお仏壇はある程度決まってくるでしょう。
ただ、「ご自身の家の宗派や地域とは違った仏壇を選んではいけない」ということではないので、浄土真宗以外の宗派で金仏壇を置いてはいけないということもありません。
唐木仏壇について
唐木仏壇とは、黒檀や紫檀、ケヤキや桑などの銘木を使い、木材の木目を生かして造られた仏壇のことをいいます。唐木仏壇は、宗派による形の違いはありません。伝統的な形をイメージされる方も多いと思いますが、家具調仏壇に近い形状のものなど、最近では伝統と現代をミックスさせた製品も多く造られています。また、関東仏壇のような、伝統和家具のようなスタイルの仏壇もあります。
浄土真宗以外の宗派では唐木仏壇が用いられることが多いのですが、浄土真宗の場合でも唐木仏壇を選ばれる方もおられます。
モダン仏壇(家具調仏壇)について
モダン仏壇(家具調仏壇)とは、日本の都市型住居に合わせやすいようデザインされた、すっきりとしたデザインのお仏壇のことです。
伝統仏壇の特徴である欄間彫刻や宮殿、障子も用いられていないものも多くあり、ガラス扉や椅子付きのもの、天井にLED照明を使用したものなど、さまざまなデザイン・スタイルがあります。家の間取りや家具との調和、故人の好みやイメージで、自由に選ばれるとよいと思います。
都心では8割近くの方が、このモダン仏壇を選ばれています。
手元供養について
手元供養とは、自宅や身近なところに遺骨の全部または一部を保管して供養する、比較的新しい供養方法です。
最近では・・
「田舎にあるお墓を継承できない」
「マンション暮らしで仏壇が置けない」
「お墓がない」
といった家族構成や住環境の変化があります。
そこで、遺骨をお墓に安置せず自宅に保管したり、身に着けられるよう加工して持ち歩くなど手元供養を選択する方が増えています。
👇以下の記事では、手元供養に欠かせない「分骨について」解説しております。
神徒壇(祖霊舎)について
仏教の仏壇にあたるものが神道では神徒壇(祖霊舎)とされており、御霊舎、祭壇宮、霊床、霊棚とも呼ばれています。
神徒壇(祖霊舎)は祖先の魂の依り代である霊璽(御霊代)と神具を納めている祭壇で、ほとんどが桧や栓、ビバ、欅などの素材を使い、木目が美しい白木造りで作られています。
神棚について
神棚とは、家庭内で神道の神様をお祀りするための場所のことです。一般的に、神社で祈祷を受けたお札を祀り、榊をはじめとするお供え物を供えてお祀りします。
現代における神棚は、日々見守って下さる神様に日頃の感謝を伝えたり、家内安全や商売繁盛を祈願するための場としての意味を持ちます。また、神様を大切にする心を通じて敬いの心を育んでくれるものとしても考えられています。
まとめ
本日は、「お仏壇をお祀りする意味と種類」について解説させていただきました。本記事がお仏壇での毎日のお勤めや、これからお仏壇購入を検討されている方などの参考になれば幸いです。
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