年末に近づくと、「お仏壇の掃除をどうしようか」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
ただ、間違った方法で掃除を始めてしまうと、大事なお仏壇にキズつけてしまったり、変色の原因となる可能性があるので注意が必要です。
そこで、今回は仏壇・仏具の材質や加工の違いに合わせた、正しいお手入れ方法について解説したいと思います。
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👇以下の記事では、お仏壇のお手入れ時期に最適な「お盆・お彼岸」について解説しています。
仏壇を掃除するタイミングについて
毎日お仏壇にお線香を焚いていても、その都度お手入れをされている方は少ないとおもいます。お掃除する頻度に関しては、明確な決まりがあるわけではありませんが、小まめにお手入れする習慣を身につけることで、仏壇も傷みづらくなり長くお祀りできるでしょう。
また、日常的なお手入れとともに、お正月やお盆・お彼岸の時期にきちんと掃除をされることで、より仏壇をきれいに保つことができます。
日常的なお手入れ方法
毎日お掃除するのは大変ですので、まずは数日に1回・週に1回ほど毛ハタキでホコリを払う程度のことから始めてみましょう。それならば時間もほとんどかかりませんし、負担も少ないと思います。
日常的なお手入れは、「完璧に掃除をしよう」と思うと長続きしないので、できる範囲内で小まめに「継続」することが大切です。
本格的なお掃除の方法
数か月に一度、本格的にお手入れされることでお仏壇はより長持ちします。時期に関しては特に決まりはありませんが、正月やお盆・お彼岸など身内の方が集まる前に、お仏壇をきれいにしておくのがいいでしょう。
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お仏壇の掃除の仕方について。【材質・加工によるお手入れ方法の違いについて解説】
お仏壇の種類は大きく分けると、唐木製の「唐木仏壇」と漆や金箔を使った「金仏壇」の二種類に分けられます。ホコリを払うなどの簡単なお手入れ方法は共通していますが、間違った掃除をしてしまうとお仏壇を傷めてしまうこともあるため注意が必要です。
以下では、材質や加工の違いに合わせた正しいお手入れ方法について解説していきます。
唐木仏壇のお手入れ方法
唐木仏壇とは、黒檀や紫檀、欅などの木目を活かしたお仏壇のことを指します。材質として使用される木の種類はさまざまなものがありますが、木目が出ているお仏壇であればお手入れ方法に大きな差はありません。
掃除の方法は比較的簡単です。まず、取り外し可能な仏具を取り出しよく絞った柔らかい布で拭き、水気を残さないよう乾拭きをします。仕上げにお仏壇用のワックスを塗ると、光沢も出てきれいな状態を持続できます。汚れが付きづらくなるコーティングの役割もあり、おすすめなので是非近くの仏壇店などで探してみてください。
細かい彫刻部分がある場合は、毛ハタキでホコリを払うといいでしょう。毛ハタキでも入らない箇所は筆のような毛先が細かいものを使うとホコリも取りやすいです。
金仏壇のお手入れ方法
金仏壇をお掃除する際は、取り扱いに注意が必要です。金仏壇は素手で触ってしまうと、指紋が汚れとして残る場合や、金箔部分がはがれてしまうこともあります。出来るだけ軍手や手袋を使うようにし、慎重に扱うようにしましょう。
金仏壇は基本的に、水拭きが厳禁な箇所が多いです。金箔部分は乾拭きをすると金箔が剥がれてしまうこともあるので、毛ハタキでホコリを払う程度にします。金具・漆部分もホコリを払ったあと、乾拭きをする程度にとどめておきましょう。
どうしてもきれいにならない箇所がある場合は、仏壇クリーニングの専門家に相談し、金箔の貼り直しや漆の塗り直しを依頼してみるのもいいと思います。
お掃除前の注意点
お仏壇の掃除を始める前には、いくつか気をつけなければならないことがあります。以下の点に注意してお掃除を始めてみましょう。
仏壇はカビやすいため天気の良い日に行う
仏壇は木製品のため湿気に弱いです。
掃除をするときには換気のために窓を開けることが多いですが、雨の日や湿度の高い日だと、湿った空気が室内に入ってきてしまいます。普段は仏具などで隠れている箇所も、掃除中は外気に触れやすい状態になっているので、掃除はなるべく晴れていて湿度の低い日に行うのが望ましいです。
仏壇まわりを整理し足場の安全性を確認する
仏壇が大きめの場合や高い場所に置いている場合には、上のほうまで手が届かないこともあります。手が届かない場合、椅子や踏み台などの上に立って掃除をすることになりますが、この際に足場まわりに危険なものが無いかしっかりと確認しておきましょう。
椅子や踏み台が倒れてケガをしてしまう危険があるので、十分に安全確認をした上で掃除をしましょう。
仏壇・仏具の配置を確認しておく
仏壇の掃除をした後に、取り外した仏具を元の位置に戻しますが、その際に配置をはっきり思い出せず困ってしまう場合があります。普段目にしていても、正確な配置を覚えている方は少ないです。
そのため、掃除を始める前にデジカメやスマートフォンで配置の写真を撮影しておくと便利です。掃除をした後に写真を見て、確認しながら仏具を元の位置に戻すことができます。
お手入れ用品について
仏壇の掃除で使用する道具には、部屋の掃除などで使用する道具のほか、仏壇・仏具店で取り扱っている掃除用品などもあります。
掃除で使う道具としては、使い捨ての化学雑巾やティッシュ、綿棒、毛バタキなどがあり、どれもスーパーや雑貨屋などで購入できます。また、いらなくなったTシャツやストッキング、新聞紙なども用意して頂くとより掃除がしやすくなります。
仏壇・仏具店で取り扱っている掃除用品は、仏壇の彫刻部分を掃除する筆や、仏壇クリーム、金属磨き、ロウ取り用のスプレーなどがあります。
お掃除の流れについて
お掃除の流れについて明確な決まりはありませんが、以下のような手順で進めるといいでしょう。
①仏壇のお掃除前には、最初にご本尊とご先祖様に対してお祈りをします。黙って掃除を始めるよりは、普段お参りをするときと同じように線香を上げて手を合わせ「これからお仏壇の掃除をさせていただきます」とお伝えしましょう。
②仏壇・仏具の配置の写真をデジカメや、スマホで撮影します。それから仏具を取り外していきますが、外した仏具は新聞紙の上に置いておきます。
③仏壇のお掃除は基本的に上から下に向かっておこないます。まずは、仏壇の上のほうに溜まっているホコリを下に落としていき、上置きの部分を綺麗にしてから下台部分を掃除します。細かな隙間にたまっているホコリは、仏壇掃除用の筆を使って取り除きます。それでも汚れが取れない場合には、綿棒を使用してみましょう。
④ホコリが取り除けたら、仏壇クリームを塗りましょう。きれいな雑巾だとかなり汚れてしまうので、いらなくなったTシャツに染みこませて塗ると、そのまま捨てることができて便利です。また、細かい隙間には綿棒を使うと、しっかり仏壇クリームを塗ることができます。
仕上げに乾拭きをおこないお仏壇のお掃除は完了です。乾拭きには、いらなくなったストッキングを使うと便利です。
仏壇のお手入れ方法について まとめ
仏壇の掃除はやり方を間違えてしまうと、掃除前よりも状態が悪くなってしまう場合があるので注意が必要です。
金仏壇と唐木仏壇の両方に共通していることは、濡れた雑巾では拭かないことです。金仏壇の場合には金箔が剥げる原因にもなり、漆が塗られている部分は水拭きすると拭き跡が残ってしまうことがあります。唐木仏壇も水拭きすると木材に水が染みこんで、カビが発生しまうこともあるので、乾拭きで水気をしっかりとりましょう。
また、洗剤やアルコールスプレーなどもシミの原因となるので使用は控えましょう。
仕上げに乾拭きをしますが、目の粗いタオルでは仏壇を傷つけてしまうおそれがあります。いらなくなったストッキングや、なるべく柔らかめのタオルを使用するといいでしょう。
仏壇掃除のプロに依頼することも視野に入れよう
自分で仏壇掃除をするのが不安な場合には、「プロに依頼」する方法もあります。
特に、金仏壇の場合には一般の方が掃除するのは難しいため、プロに依頼した方が安心です。仏壇店やネットから、近くの仏壇掃除の専門業者を探し依頼するのも方法のひとつです。
今回は仏壇のお手入れ方法についてまとめてみました。お手入れすることも供養の一環ですので、この記事がみなさまの参考になれば幸いです。
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