お盆と聞くと「少し難しい仏教の行事」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
ただ、京都で有名な「大文字焼き」をはじめ、意外とお盆に深い関わりのある行事が身近で行われています。
そこで本記事では、お盆を迎える前に知っておきたい「お盆の行事」についてご紹介したいと思います。
気になる行事がありましたら、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
【投稿者のプロフィール】
👇以下の記事では「お盆の由来や歴史・過ごし方」を解説しています。
意外と身近なお盆の地域行事
以下では、日本でも有名なお盆に関連する行事を4つご紹介いたします。
京都大文字焼き
「京都大文字焼き」は、例年8月16日(送り盆)の夜に行われる「葵祭」「祇園祭」「時代祭」と並ぶ、京都の夏を彩る4大行事の1つです。正確には「五山の送り火」と呼ばれ、京都市内の5つの山で、お盆の精霊を送る送り火が灯されます。その中でも、如意ヶ嶽(大文字山)で行われる送り火が最も有名です。
玄関先やお墓でおこなう「送り火」と同様に、お盆に帰ってきた故人様やご先祖様の霊を迷わずにあの世へ送り出すという意味合いがあります。
★京都大文字焼きの歴史について
その歴史は古く、起源は平安時代~室町時代頃と言われています。また、京都市登録無形民俗文化財にも登録されており、京都の町に古くから根付く歴史ある風習です。
京都盆地の周囲の山に、「大・妙法・船形・左大文字・鳥居型」の5つが炎で描かれるのが特徴で、京都の夏の風物詩を一目見ようと、毎年数多くの方が訪れています。
盆踊り
盆踊りというと、夏のお祭り会場などで「櫓を囲み踊りを楽しむイベント」のイメージが強いと思いますが、元々は亡くなった方の霊を迎えて供養するための仏教行事のひとつです。有名な徳島の阿波踊りも、もとは盆踊りが始まりだと言われています。
その起源は、一説には平安時代中期に浄土教を広めた空也上人がおこなった「踊り念仏」がはじまりとされています。
また、近年の盆踊りは先祖供養が目的ではなく純粋に踊りを楽しむことや、地域活性化が目的になっているものも多く、ほとんどの会場で気軽に参加することができます。
全国的にも開催場所は多いので、ぜひご家族で参加してみてはいかがでしょうか。
精霊流し(しょうりょうながし)
「精霊流し」とは、お盆前に逝去した方の遺族が「精霊船」と呼ばれる船を手作りし、死者の魂を弔って送る仏教行事です。長崎県の各地、熊本県の一部及び佐賀市で毎年8月15日に行われています。
各家庭で作られる精霊船は、主に竹や藁、板などが材料として使用され大きさも様々です。そして、爆竹や鉦(かね)が鳴り響く中、大小さまざまな船を曳いて町中を練り歩き、故人の霊を極楽浄土に送り出すとされています。
精霊流しの際、爆竹が使用される由来には、中国の「彩船流し」の影響があると言われています。爆竹には魔除けの力があると考えられており、精霊船が通る道を清める意味が込められているそうです。
また、「船首(みよし)」と呼ばれる船体の先端部分には、家紋や家名、町名などを記し、精霊船の中には故人の趣味に関する飾りを施す場合もあります。
精霊流しは、その賑やかな雰囲気からお祭りと勘違いされそうですが、あくまでも故人を追悼する日本の伝統的な仏教行事の1つです。
灯籠流し(とうろうながし)
灯篭流しとは、死者や先祖の魂を弔うために、火を灯した灯篭を川や海に流す日本の伝統行事です。灯篭の灯りは闇を照らし、先祖の魂があの世に戻るまで、道に迷わないようにする役割があるとされています。供養が目的のため、各地のお盆の時期におこなわれることが多いのが特徴です。
灯篭流しの起源は、終戦後の広島が始まりと言われています。原爆による犠牲者の供養と、町の復興を願って手作りの灯篭を川に流して送り火の代わりとしていたそうです。
一般的な灯篭流しの方法は、お盆最終日の夕方に木や紙でできた灯篭に火を灯し、お盆の供え物と一緒に川や海へ流します。灯篭流しは死者の魂を弔う儀式ですが、それと同時に亡き人を偲ぶ機会でもあります。川や海を流れていく灯篭を眺めていると、亡き人との思い出や感謝の気持ちなどが思い浮かんでくるかもしれません。
★最近の灯籠流しの現状
最近では環境保全のため灯篭や供え物を川や海へ流すことを禁止している自治体もあるそうです。流すことを認めている自治体でも、時期を定めて、川の下流で灯篭を回収する取り組みをしているケースもあります。
お盆の行事について 【まとめ】
本日は、お盆の行事についてご紹介させていただきました。
地域限定の行事に参加するのは難しいかもしれませんが、「盆踊り」などは各地で開催されておりますので参加しやすいですよ。ぜひ、ご家族で参加してみてはいかがでしょうか
本日は以上となります。最後までお読みいただきましてありがとうございました。
👇以下の記事では、「お盆時期には避けること」について解説しております。
コメント