「お墓を引き継いだけど、遠方だから近くに引っ越したい」
「宗旨・宗派を変えたいけどお墓はどうしようか…」
「お墓を引っ越したいけど、必要な書類がわからない」
など、お墓の移動を考えているけど「やり方がよく分からない」という方は多いのではないでしょうか。
お墓の引っ越しのことを、「改葬」と呼びます。
本記事では
・改葬をおこなる理由
・改葬を行なうことで解消できること
・新しいお墓の選び方
・改葬するために必要な書類
についてご紹介しています。
お墓の引っ越しをしたいと考えているけれど「具体的な方法が分からない」とお悩みの方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
【投稿者のプロフィール】
👇以下の記事では、「分骨について」詳しく解説しております。
改葬とは? 【お墓のお引越しについて】
「改葬」あまり聞き慣れない言葉ですが、わかりやすく言うと今あるお墓やご遺骨を別の場所に移すことを指します。近年では後々のことを考えて、お墓をお住いの近くに移す方が増えています。
改葬で解消できるお墓の様々な悩み
郷里に残してきたお墓は、なかなかお参りに行けずしっかり供養が出来ていない。しかしそんな悩みも、お墓を引越しさせることで一気に解決に向かいます。改葬に至る理由は人によって様々ですが、以下では、よくある改葬の理由をご紹介致します。
宗教上の問題
「宗旨を変えたのでお墓を移したい」
「他のお寺に入壇しなおしたい」
↓
宗旨に適したお墓を探すか、宗旨を問わず入れるお墓がおすすめです。
立地の問題
「古い墓石を新しくする機会に、場所も移したい
「住まいの引越しに合わせて、お墓も移したい」
「郷里のお墓が遠くてお参りにいけない」
「後々の後継者のことを考えて、お墓を便利な場所へ移したい」
↓
遠くて不便な場所にお墓があると、お参りの足も遠のきがちになります。長い目で見ると、時間の余裕以外にも交通費や宿泊への気遣いは、大きな負担となってしまいます。
環境・機能的な問題
「陽当たりや水はけ等、環境が悪い」
「階段や段差が多くてお参りしづらい」
「お墓の管理状態に不満がある」
「ペットも家族の一員、一緒に埋葬したい」
「複数あるお墓を一つにまとめたい」
↓
一昔前とは違い、現在では多様なニーズに応えられる様々な設備を備えた墓所が増えてきました。必要な条件は何なのか、まずはしっかり整理してみましょう。
移転先選び
改装するにあたり、まずは移転先が決まらなければ話が進みません。お墓参りに最も適した環境を考えてからご検討されると良いでしょう。
検討項目の例
・お参りしやすい立地かどうか。
・陽当たりなどの環境は良いか。
・法要室、休憩室、駐車場などの施設は充実しているか。
・ペット埋葬可などの希望の条件を満たしているか。
・墓石を持ち込みたい場合、持ち込みができるか。そのままの大きさで設置できるか。
・宗旨、宗派が同じか、または宗教自由か。 等
改葬のいろいろ
「改葬」には、場合によって様々なタイプがあり、費用や手続きも異なります。
墓石を新調する場合
移転を機に新しい墓石を立てる場合はまずは石材店に相談してみるとよいでしょう。
改葬する際に墓石を新調する場合でも、既存墓地の墓石を撤去し、元の更地に戻す必要があり、新たに墓石をたてる費用と含めて、撤去など改葬にかかる費用の予算を考える必要があります。
墓石ごと移転する場合
移転先を決める際に、墓石を持ち込むことが出来るか。また、墓石が新しい墓地にそのままの寸法で入るかを必ず確認しましょう。墓地によっては墓石の持ち込みを使用規則で禁止している場合もあります。
持ち込める場合は、撤去・搬送・追加加工・据付など移転にかかる費用を事前に石材店に伺い、改葬にかかる費用に含めて考える必要があります。
分骨する場合
分骨とは、ご遺骨を2か所以上に分けて葬ることを指します。
・すでに墓地へ埋葬されているご遺骨を分骨する場合
既存墓地の管理者に相談し「分骨証明書」を発行してもらい、納骨時に新しい墓地の管理者に提出します。
・火葬の際に分骨する場合
葬儀社へ事前にその旨を伝え、骨上げの時に分骨します。この場合、「分骨証明書」は火葬場で発行してもらいます。
改葬に伴う手続きの流れ
1、「墓地使用許可書」「受け入れ証明書」を発行してもらう
「墓地使用許可書」は墓地によって名称が異なります。
例えば、
「永代使用承諾証」
「墓地使用承諾証」など。
2、必要書類を役所から受け取る
「埋葬証明書」は、既存墓地管理者が発行する場合もあります。
各市区町村によって異なりますので、ご確認ください。
※「改葬許可申請書」「埋葬証明書」に全国統一の形式はありません。
3、書類の記入
4、改葬許可の申請
持っていくもの
◎印鑑
◎墓地使用許可証
◎受け入れ証明書
◎改葬許可申請書
(既存墓地管理者 記名捺印済)
◎埋葬証明書
5、ご遺骨の引き取り
「改葬許可証」の発行手続きをご遺骨の引き取り当日に1日で行う場合には、スムーズに手続きが進められるよう、当日の段取りを管理者や石材店とよく打ち合わせしておくことが大切です。
6、引越しの完了
納骨式時に「改葬許可証」を移転先の管理者(管理事務所)へ提出して下さい。納骨日の申し込みは事前に済ませておきましょう。
書類について
・「改葬許可申請書」や「埋葬証明書」は、全国統一の形式はありません。
・「埋葬許可書」は役所で発行する場合と、既存墓地管理者が発行する場合があり、各市区町村によって異なります。また「改葬許可申請書」の中に記載されてひとつの様式になっているものもあります。いずれも、原則として仏様1人に対して1枚必要になることが多いようです。
・インターネット上で提出書類がダウンロードできる役所もあります。
・「改葬」とひとことで言っても様々なケースがあり、必要な書類や手続き方法は墓地や市区町村によって異なります。書類の不足や不備等で何度も足を運ぶ事にならないように、事前に役所へ問い合わせをして確認しておきましょう。
改葬の注意点
・既存墓地の管理者に「改葬」する意思を伝え相談することが大切です。特に寺院の場合は、お盆や彼岸以外にも常日頃お世話になっていたので、誤解の無いよう誠意をもって改葬に至った経緯などもお話してみましょう。
・改葬の際に既存墓地は、墓石を撤去して元の更地に戻してから返還する義務があります。その時にかかる費用は自己負担となり、返還しても契約時に支払った永代使用料などは返金されません。
移転先が決まったら、管理者に墓地返還の手続きについて相談してみましょう。
まとめ 【改葬について】
本日はお墓の引越し=改葬についてまとめてみました。
改葬は家の引越しと同じように、それなりに大きな金額がかかります。しっかりとメリットやデメリットを考え、一人で考えるのではなく家族と話し合って決めるようにしましょう。
本記事がみなさまのお役立つことができれば幸いです。
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