「お盆」とは日本の伝統的な仏教行事のひとつで、自宅にご先祖様の魂が帰ってくることで有名です。7月に入ると提灯を用意したり、盆棚を設置したりされる方もいらっしゃるかと思います。
ただ、人によってはまわりの方が準備をしてくれていて「何となく」お盆を迎えていたという方も多いのではないでしょうか?
そこで、本日は「お盆の意味や過ごし方」について詳しく解説させていただきたいと思います。
「お盆の意味や由来を知りたい」
「お盆の過ごし方はどうすれば?」
などのお悩み解消に、本記事を役立てていただけると幸いです。
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お盆の由来や歴史について
お盆にはご先祖様の霊を迎え入れるために・・
「お墓参りに行ったり」
「盆棚を作ったり」
「提灯を飾ったり」
される方が多いと思います。
では、いつ頃からお盆にはそういったことを行うようになったのでしょうか?
以下では、お盆の由来や歴史についてご紹介したいと思います。
お盆の由来について
お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」を略した言葉とされており、サンスクリット語で「逆さ吊り」を意味する「ウラバーナ」が語源といわれています。
盂蘭盆会は、その昔、お釈迦様のお弟子である目連尊者(もくれんそんじゃ)が、亡き母を救う話に由来しています。
★目連尊者が亡き母を救う話とは?
亡き母が地獄で逆さ吊りの刑を受けていることを知った目連が、母親を救済する方法をお釈迦様から聞くというお話のこと。その時のお釈迦様の教えが「(旧暦)7月15日に供養する」というものだったことから、現在のお盆の風習が始まったとされています。
お盆の歴史について
中国から日本にお盆が伝わり、仏教形式でお盆の法要が初めて営まれたのは、斉明天皇(さいめいてんのう)の頃の657年と言われています。当初のお盆は朝廷が営む供養という位置づけであり、実際に民間に普及し始めたのは鎌倉時代に入ってからとされています。
その後、室町時代には送り火の風習が現れ、江戸時代に入ると完全に庶民に定着し、僧侶が家々を回って棚経(お経)をあげるようになりました。
お盆の期間 【2024年度版】
お盆の期間は、8月13日~16日の4日間(8月盆)が一般的ですが、東京をはじめとする一部地域では、7月13日~16日の4日間(7月盆)で行われます。
また、東京の一部地域では7月31日〜8月2日、沖縄県では8月中旬~9月上旬に行う場合もあるそうです。
2024年度のお盆期間は?
2024年(令和6年)のお盆期間は・・
【7月13日(土)~7月16日(火)】もしくは【8月13日(火)~16日(金)】です。
お店や会社のお盆休みはこの期間の3~4日程度を指すことが多いですが、土日などを含めて1週間程度の大型連休になる場合もあります。
2024年のお盆休みは、8月10日(土)~18日(日)の9連休が最長になります。
お盆の過ごし方について
お盆の期間は、休みを利用して帰省されたりご自宅で過ごされたりと、様々な過ごし方があります。地域によって細かな違いはあるものの、お盆を迎える流れと過ごし方はほとんど変わらないでしょう。
以下では、一般的なお盆の過ごし方をご紹介致します。一般的な流れをあらかじめ把握し、スムーズにお盆を迎えましょう!
★お盆の流れ 【4つのステップ】
step1 お盆期間前におこなうこと
step2 13日(迎え盆)におこなうこと
step3 14日・15日(中日)におこなうこと
step4 16日(送り盆)におこなうこと
step1 お盆期間前におこなうこと
・法要手配の準備【お寺様の予定を確認する】
新盆(初盆)やお盆の法要をする場合は、なるべく早く日程を決めて、お寺様のご都合を確認しましょう。
お盆時期はお寺様も忙しくなるため、希望している日時に依頼が出来ない場合もあります。出来ればお盆の1か月ほど前を目安に、早めに相談するようにしましょう。
・お盆飾りの事前準備と飾り付け【お盆の一週間前ぐらい】
お盆飾りには、提灯やキュウリ・ナスで作った牛馬など、お盆独自の飾りをしてご先祖様をおもてなしします。
一日で飾り終える必要はなく、お盆の1週間前やお盆月に入ったタイミングなどから飾り初めても大丈夫です。直前で慌てないためにも、早めに準備を行いましょう。
・お仏壇とお墓の掃除
お盆前には、お仏壇を綺麗に掃除してご先祖様をお迎えしましょう。
また、お盆時期はお墓参りのお客様もいらっしゃることがあるので、可能であればお墓も事前に掃除しておきましょう。事前の掃除が難しい場合には、お参り当日にお掃除をする形でも大丈夫です。
お墓の掃除は、雑草や落ち葉を取り除き、墓石についた埃や砂は水をかけて洗い、その後タオル等できれいに拭き上げます。
👇お墓の掃除については、以下の記事でも詳しく解説しております。
・お盆のご家庭へお参りに行く場合の準備【お供え物の購入】
お盆を迎えるご家庭へお参りに行く予定がある場合は、お供え物も余裕を持って準備しておきましょう。お盆のお供え物として定番なのは、お線香や絵ローソクなど仏壇まわりの消耗品や、お菓子や果物などの食品です。
また、宅配便で送る場合は、先方が13日からのお盆にお供えできるよう日程に余裕をもって送りましょう。
👇以下の記事では、お盆時期のお供えにおすすめな「絵ろうそく」をご紹介しております。
step2 13日(迎え盆)におこなうこと
・故人様やご先祖様へのお供え
故人様やご先祖様へのお供えは、「香(お線香)・花・灯明(ローソク)・浄水(水)・飲食(食べ物)」の「五供(ごく)」と呼ばれる5つが基本です。これらは普段のお参りでもお供えするものですが、お盆の時期には精進料理やそうめん、果物など、いつもよりも盛大にお供えする場合が多く見られます。
お料理をお供えする場合は、自身の食事前にさしあげ、食事が終わったタイミングで下げます。可能であれば、お盆期間中は毎日・朝昼晩にお供えするのが良いですが、難しい場合には14・15日の中日だけでも問題はありません。
・家族揃ってお墓参りに行く
13日には、ご先祖様を迎えにご家族みんなでお墓参りに行きます。
お盆のお墓参りの日にちに決まりはないのですが、「迎えは早く、帰りは遅く」という言葉もあり、最も早い13日(お盆入り)の午前中が望ましいとされています。
👇以下の記事では、お墓参りのマナーについて詳しく解説しております。
・迎え火を焚く
お盆の初日(迎え盆)には、夕方から玄関先・庭先やお墓などの場所で「迎え火」を焚き、先祖や故人の霊をお迎えします。迎え火は、ご先祖様の霊が迷わずご自宅に帰ってくるための目印になるとされています。
迎え火を焚くのが難しい場合は、盆提灯で代用したり、迎え火の形を模したローソクを使用したりする場合もあります。
・盆提灯に灯りをつける
盆棚やお仏壇に用意しておいた盆提灯を飾り、灯りをつけましょう。
お盆飾りは、ご先祖様をにぎやかにお迎えするという意味があるため、お盆の期間中はなるべく提灯の灯明を絶やさないことがよいとされています。日中は消していても、夜のご家族が起きている間は提灯の灯りをつけておくとよいでしょう。
★新盆の場合
お身内を亡くされて初めて迎えるお盆のことを「新盆(にいぼん・あらぼん)」と呼びます。
新盆の場合は通常の提灯とは別に、白紋天提灯を軒先や縁側、あるいは仏壇の前に吊るします。これは、「清浄無垢の白で霊を迎える」という意味と、「初めて帰ってくる霊に、帰るべき家を教える」という意味があります。
step3 14日・15日(中日)におこなうこと
・故人様を偲んで会食をする
宗教、宗派に関係なく、親族や故人様・ご先祖様と親しい方々を招いて会食をおこなう場合が多く見られます。
ご自宅や法要会館、御料理屋などで行なうことが一般的です。
・読経・お盆法要をおこなう
お盆の時期には、お寺様に伺うか自宅にご住職を迎えて、読経をしていただきます。
お布施の金額はお寺様によって異なりますが、一般的な相場は3~5万円程度とされています。
step4 16日(送り盆)におこなうこと
・家族揃ってお墓参りに行く
地域にもよりますが、お盆最終日にもお見送りの気持ちを込めてお墓参りに行きます。
送りの際は夕方頃の時間帯が望ましいとされますが、施設によっては遅い時間帯のお墓参りはNGとされている場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
・送り火を焚く
迎え火と同様に、お盆最終日には夕方から夜にかけて自宅の玄関先・庭先、お墓などの場所で「送り火」を焚きます。
送り火は、ご先祖様の霊を、「あの世へまっすぐ戻れるようお見送りするため」に焚くとされています。
・お盆飾りの片付け
お盆飾りなどの片付けは、迎え火が終わった後(16日中)に行なう形が多いようです。
ただ、時間が遅くなってしまったなどの場合は翌日でも問題はありません。
お盆の意味や過ごし方について 【まとめ】
本日は、お盆の歴史や過ごし方などをご紹介させていただきました。
いままで、「お盆期間をなんとなく過ごしていた」方がおりましたら、今年はご先祖様のことを偲び過ごしてみてはいかがでしょうか。恥ずかしながら、かくいう私も仏壇店で働くまではそんな感じでしたよ💦
それでは、本日は以上となります。最後までお読みいただきましてありがとうございました。
👇以下の記事では、「お盆時期には避けること・お盆行事について」解説しております。
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