お盆の時期が近づくと…
「お盆には海や川に入ってはいけないの?」
「お盆時期に結婚式を挙げるのはよくないの?」
などのご質問をお客様からいただくことがあります。
お盆とは、故人様やご先祖様の霊が自宅に帰ってくる時期として有名ですが、「おこなっていいこと・わるいこと」について詳しい方は少ないのではないでしょうか。
そこで、本日はお盆時期には避けた方がよいことについて解説したいと思います。
本記事がお盆を迎える前に、みなさまの疑問解消に役立てば幸いです。
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👇以下の記事では「お盆の由来や歴史・過ごし方」について解説しております。
お盆には避けるべきこと
①お盆時期は、海や川に入ってはいけないの?
②家や仏檀の引越しをしてはいけないの?
③むやみな殺生は避けた方がいいの?
④お盆時期に結婚式を挙げるのはよくなの?
①お盆時期は、海や川に入ってはいけないの?
●俗説的な理由
「海や川に入ってはいけない」というのは、お盆時期に避けることの中でも様々な地方に伝わる有名な言い伝えのひとつです。
水辺は「三途の川」に繋がりの深い場所とされており、お盆中は特にあの世とこの世の境界があいまいになっているため注意しなければならないといわれています。理由としては、お盆に現世に帰って来ているのは、良い魂ばかりではないためです。
地獄に落ちた悪い魂や供養してもらえない悲しい魂が、生きている人を道連れにしようとして水の中に引き込むのだと伝えられています。
●物理的な理由
8月中旬頃は水温が高くなりクラゲの生育が活発になる時期なので、大量発生したクラゲに刺される恐れがあります。
また、8月を過ぎると台風や高波が発生しやすく、水難事故のリスクが高まることから、お盆時期の海は危険だという言い伝えに繋がったとも言われています。
子供の頃、大人から「お盆の時期に海に行ったら霊に足をひっぱられるから危ないよ」なんて脅かされたことはありませんでしたか?あれは子供たちの海難事故を防ぐ意味もあったんですね。
ただの迷信や言い伝えとは言い切れない、昔の人の知恵といえます。
②家や仏檀の引越しをしてはいけないの?
お盆は先祖や故人の霊を供養する期間のため、「お祝い事は避ける」といった日本ならではの風習があります。そして、引越しはおめでたい門出となる日と考えられており、お盆中の引っ越しはあまり良くないといわれています。
また、お盆時期に引越しなどの大きな変化をすると、ご先祖様や故人の霊が戻ってこれなくなることから、この時期は避けたほうがいいとされています。
③むやみな殺生は避けたほうがいいの?
仏教ではお盆期間中は「不殺生戒」の期間とされています。不殺生とは、生きているものを殺さないという考えです。
そのため、お盆中の虫取りや魚釣りなどは、生き物の命を大切にするという意味で避けた方が良いとされています。ちなみに虫取りについては、中国から九州地方ではお盆ごろに飛び始める赤トンボを盆トンボと呼び、このトンボにご先祖が乗って帰ってくるので捕ってはいけないとも言われています。
この期間は、生きものを大切にする気持ちを改めて見直しても良いかもしれません。
④お盆時期に結婚式を挙げるのはよくない?
お盆期間は、「お祝い事を避けた方が良い」という考えから「結婚式を挙げるのは良くないのでは?」とお考えになる方も多いと思いますが、そういった絶対的な決まりはありません。
お盆時期は、シーズン時期から外れているため結婚式場を確保しやすい、挙式費用が抑えられるなどのメリットもあります。一方で、帰省やお盆の法事、お墓参りなどのお盆行事で忙しい、暑い時期の参列は大変などの理由から、お盆付近の結婚式は避けて欲しいという考えをお持ちの方もいます。
そのため、お盆時期に結婚式を行うかどうかは、文化や風習を重んじる方、ご年配の方は気にする方も多いので、親族や参列者の事情も踏まえて検討するのがよいでしょう。
まとめ
地域や家系で粛々と受け継がれてきたお盆の風習。核家族や1人暮らし世帯が多い現代では、昔のように大々的にお盆行事をとり行うことは減りましたが、それでも「お盆といえば帰省してお墓参り」という習慣は根付いています。
コロナ禍でなかなか帰省が難しいときは、お盆の風習に習って簡易的な盆飾りやお供え物を用意し、ご先祖様への感謝を伝えてみてはいかがでしょうか。
👇以下の記事では「お盆の行事」についてご紹介しております。
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